の子にちがいないのだから、なんとかしてさがし出して財産を渡してやりたいとあらゆる手をつくしさがしたがまるでゆくえがわからない。そのうちに、道之助の母親が死んだということだけは、風のたよりにわかったが、子どもはひとの手からひとの手へと渡っていって、ついきょうの日までゆくえがわからなかったのである。
「おとうさんは決して、はじめからそんな悪いことをたくらんだわけじゃない。しかし結果から見ると、いままで道之助の財産を自分のものにしていたことになる。おとうさんはそれをどんなに苦にしていたろう。だからいっこくも早く道之助をさがしだして、むかしの罪ほろぼしに、あとつぎにして財産をゆずりたいと思っていたのだが、もういけない。だめだ。道之助は世にも恐ろしいどくろ[#「どくろ」に傍點]指紋の怪盜なのだ」
鳴りやむ歌時計
はじめて聞く父の秘密に、美罰ё嬰悉嗓螭勝摔�嗓恧い郡恧Α�
――ああ気のどくなおとうさま。おとうさまが悪いのじゃないわ。みんなその母親というひとが悪いのだわ。
と、そう思うしたから、また道之助のことを考えると、ゾッとするような恐ろしさがこみあげてくる。
――もしおとうさまがそのとき、すなおに財産を渡しておいたら、あのひとも恐ろしいどろぼうなどにならずにすんだかも知れない。世のなかには、しんせつでしたことでも、思いがけない悪いことをひき起こすこともある。もし道之助がそれを知ったら、どんなに父をうらむだろう。
それを考えると美罰ё嬰悉勝螭趣玀いà翰話菠摔勝搿¥柵筏�蔬命のいたずらに、彼女はその日いちにち泣き暮らしたが、さて、その夜のこと――。
泣きぬれて寢入っていた美罰ё嬰稀⒄嬉怪肖搐韷簸韋勝�恰ⅳ郡坤勝槨癱�Qを聞いたような気がして、ハッと目がさめた。
「あら、あれ、なんの聲だったかしら?」
胸をドキドキさせながら、じっと聞き耳をたてていると、どこかでかすかなオルゴ��毪我簸�工搿%�毳穿‘ルは雨だれの音のように『蛍の光』のメロディ��潁�唷釘�省筏扦皮い搿C婪'子はハッとして枕もとの時計を見ると、ちょうど三時だ。
「まあ、それじゃおとうさま、今夜もお仕事かしら?」
美罰ё嬰悉�玀銫菏駐頦�筏菠俊�
宗像博士はよく真夜中に起きて仕事をすることがある。そんなとき、博士はいつも、目ざまし時計をかけておくのだが、その目ざまし時計というのは歌時計になっていて、ベルのかわりにオルゴ��毪�和wの光』を奏でるようになっているのだ。
美罰ё嬰悉坤�欏⒄嬉怪肖搐恧餞違�毳穿‘ルが鳴り出すと、いつも、ああ、また今夜もお仕事だわ、とそのまま寢てしまうのだが、今夜ばかりはどういうものか、父のことが気になってたまらない。それでしばらくじっとその音に耳をすましていたが、すると、ふいにオルゴ��毪我簸�膝郡趣浹螭饋�
「あら!」
美罰ё嬰悉撙紺Δ市丐丹銫�蚋肖袱俊%�毳穿‘ルが終わりまで歌わずに、とちゅうでフ��盲趣浹螭坤韋�勝螭趣勝瘹蕒摔��搿¥餞欷恕ⅳ丹盲�劋い俊ⅳⅳ韋郡坤勝槨探肖由��
美罰ё嬰悉餞長恰ⅳ趣玀��⒏袱螘鴶趣頦韋兢い埔姢瑜Δ取⑶奘窯虺訾毪取⑾隴丐�轆皮い盲俊¥取ⅳ餞長扦肖盲郡轆瘸齷幛盲郡韋�⒏袱沃�證沃踞�⑷�饋S⑷�玀長渭窯飼薏搐蓼轆筏皮い毪韋扦ⅳ搿�
「あら、志岐さん!」
「しッ!」
英三は口に指をあてた。なんとなくまっ青な顔をしている。美罰ё嬰悉摔銫�恕ⅳ悉菠筏ば丐丹銫�蚋肖袱勝�欏�
「いったい、どうしたの?」
と、聲をふるわせてたずねた。
「どうもへんなのです。先生の書斎のほうで、みょうな物音が聞こえたのです」
と、英三も聲をふるわせている。
「いって見ましょう。ねえ、いって見ましょうよ」
ふたりはそこで書斎へはいると、パチッと電気のスイッチをひねったが、そのとたん、アッと叫んで棒立ちになった。宗像博士があけに染まってたおれているのだ。
「おとうさま! おとうさま!